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通信関連機器やシステムの分野では、コア/メトロネットワーク光伝送装置やハイエンドルータなどの売り上げが伸びた。NTTグループが2008年度に次世代ネットワーク(NGN)というコンセプトを打ち出したことで、関連製品の需要が高まったからだ。ブロードバンドやVPNの普及で企業内外のトラフィックが増加傾向にある中、処理能力を高めるWAN高速化装置などのニーズも根強い。
通信サービスでは、NTTグループやKDDI、電力系通信キャリアの動きが盛んだ。FTTH/0AB~J-IP電話(固定電話と同じ形式の電話番号を持つIP電話)/映像配信の各サービスを“トリプルプレイ”として提供し、インターネットに詳しくない人やADSLサービスの利用者を取り込んでいる。通信キャリアは、デジタルテレビやゲーム機によるインターネットの利用シーンを提案し、FTTHサービスの需要維持を狙っている。
富士キメラ総研は、通信機器/システムおよび通信サービスという分野で、通信関連市場を分析した。同市場の概況を伝える。
通信機器/システム市場の概況
2008年度における国内の通信機器/システム市場は3兆2657億円で、2007年度より約4000億円縮小した。携帯電話端末の出荷台数が大幅に減少したからだ。背景には、個人向けの新規需要が飽和したこと、割賦販売方式制度の導入で買い替え期間が長期化したことがある。
同市場は2013年度には2兆9814億円となり、さらに縮小する見通しだ。ブロードバンドサービスの普及率の高まりにより、PONシステムなどを含むネットワーク関連市場、MFP(Multifunction Peripheral:複合機)の低価格化による固定音声関連機器市場がそれぞれ縮小すると予測される(図1)。
図1:通信機器/システム市場規模の推移(出典:富士キメラ総研『2009 コミュニケーション関連マーケティング調査総覧(上巻:通信機器/システム編)』)
表1は、同市場をカテゴリーごとに分けたものである。また表2は、各市場動向の詳細と今後の展望をまとめたものだ。
注目製品
表3は、2008年度から2013年度に拡大が期待される各製品の市場規模である。具体的には、スマートフォン、セキュリティアプライアンス、テレビ会議システムおよびMCU(Multi point Control Unit:多地点接続装置)関連の製品だ。
スマートフォンは、「iPhone 3GS」やAndroid搭載端末「HT-03A」など話題性のある製品が投入されたことが影響し、2009年度の市場は拡大する見通しだ。スマートフォンは今後、ワンセグやおサイフケータイへの対応が進み、幅広い利用者を獲得すると考えられる。
セキュリティアプライアンスは、FW/VPNアプライアンスにアンチウイルスやIPS(不正侵入防止)機能を搭載したUTM(統合脅威管理)アプライアンス製品が増えている。セキュリティ対策を一元管理したい企業の需要を取り込む形で、今後も市場が拡大していくと予測される。
テレビ会議システムおよびMCU製品は、HD製品の価格下落や出張費用削減の用途により、新たな需要が喚起される。これらの製品は2002年度ごろから導入が進んできたが、今後は既存ユーザーのシステム償却時期が来るため、入れ替え需要が発生するとみられる。
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